社会人が「学ぶ」とき、大事なマインドセット
初めての物事に取り組むとき、それはつまり「学び」のときになります。
まず、「学び」とは何か。学びの先にはたいてい目的が存在ます。例えば、「合格する」「資格を取る」「事業を成功させる」などです。
あなたが伸びる学び型 ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる/古野俊幸
社会人であれば、入社時や同期、役職に関わる研修やトレーニング、あるいは異動や新たな目標設定による業務の変化などが、そのタイミングでしょうか。
こうした目的のために必要な知識や技術を、「真似て習う」ことから始めて、覚える、習得する、身につけることが学びだといえます。
つまり、「学ぶ」とは、かなり主体的で能動的な行為であり、そこには主体的な意図が必要になります。
あなたが伸びる学び型 ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる/古野俊幸
この記事へ辿りついた方は、すでに主体的かつ能動的であることが明らかですね!
ただ企業で行われる研修やトレーニングは、人事部や主催部門による施策というものが多く、本人は望んでいないことも多いものです。
なにか「学び」の機会に遭遇した際、大前提として「やる気」があるかどうか、まずは自身へ問うことも必要です。
どこかで、やらされている気持ちがあると、結果的にパフォーマンスは上がらないということも認識しておきましょう。
初心忘れるべからず、ということでお伝えしておきました。
「学び」のタイプで重要な2つの因子
さて、この「学び」
実は、個性が大きく影響することをご存知でしょうか。
主体的に情報を獲得し、知恵へと昇華していく際に、人は個性の影響を強く受けることになります。
あなたが伸びる学び型 ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる/古野俊幸
特に学びに関係するのが、FFS理論で言うところの「拡散性」と「保全性」の2つの因子です。詳しくは本文で説明していきますが、「拡散性」の高い人は「概念化型の学び」が得意ですし、「保全性」高い人は「体系化型の学び」が得意です。
あなたが伸びる学び型 ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる/古野俊幸
さきほどから、引用しているのはこちらの書籍です。
FFS理論(Five Factors & Stress)は、2万人を対象に人が感じるストレスを5つの因子に計量化した化学的な理論です。開発者のサイトに詳しい説明があるので、興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。
ここで注目したいのが、「拡散性」と「保全性」です。
2つのタイプに分類することで、自分の傾向を把握することができます。すると、比較しちゃっていた相手と自分は違うことに気づくでしょう。おそらく、比較する人は「保全性」の傾向を持つ方と思いますが、それぞれどのようなタイプかを詳しくみていきましょう。
短期決戦に向いている「拡散型」(羨)
概念化型の学びが得意という「拡散型」タイプ。わかりやすく言えば、「習うより慣れろ」のタイプです。
仕事に関わらず、スポーツや何らかの初めての体験は、誰もがレクチャーや指導を求めますが、「拡散型」の人は、ある程度概要を掴んだら、早く試させて欲しい!と感じるようです。
ちなみに私は典型的な「保全型」なので、全く分からない感覚です(笑)経験的に「実践や経験に優るものはない」と思えるようになりましたが、持って生まれた性格という風に捉えた方が腹落ちしやすいです。子供の頃から「ずっとそう思っている」と言う人が「拡散型」と言えるでしょう。
ちなみに日本人の「拡散型」の割合は35%だそうです。つまり、少数派。
私のビジネス経験上、この数値はかなり信頼性が高いと感じます。見渡すと5人に1〜2人は、直感的に行動するメンバーがいませんか?あなたがそのタイプなら、周りにはあまりいないことになります。
行動を伴う学習スタイルの「拡散型」は、短期決戦でパフォーマンスを示しやすいのが、羨ましい限りです。なぜなら、直感的に行動が取れる拡散型は、自ずと行動量が多くなります。
失敗しないようにことを進めたがる「保全型」よりも成果が出やすいのは、当然のことです。
ウサギとカメに例えると、拡散型は「ウサギさん」タイプ。
短所は、つまらないと止まってしまうこと。「飽き」が最大の敵と言えます。
短期決戦に圧倒的不利な「保全型」(笑)
体系化型の学びが得意な「保全型」
実に日本人の65%がこのタイプのようです。私もしかり。
新しい体験には、まず情報収集からあたろうと考え、ビリにはなりたくないけどトップで目立ちたくもない、という考え方をする傾向にあるようですが、あなたはどうでしょうか?
「保全型」は、本を読むなら飛ばし読みをせずに、目次通りに読んでいくのが当たり前です。
仕事では、抜け漏れなどがないか準備は万端にして、とにかく不安の解消が目先のゴールにすらなり得ます。「拡散型」の人からしたら、もはや理解ができない!となっているかもしれません(笑)
これが「保全型」の一般的な傾向だとすると、「保全型」は短期間で成果を出しづらい学習スタイルである、とはっきり認識していた方が、取るべきスタンスを定めることができます。
保全型が成果を出すには?
さて、ここからは短期の成果が出ない人は、もはや「保全型」の人だと半ば断定したカタチで進めてみようと思います(笑)つまりこの記事に辿り着いた人も「保全型」が多いかもしれません。
では、私の考える「保全型」が短期成果を出す3つの方法をお伝えします。
- 他者比較をまずやめる
- 短期で成果を出したいなら「拡散型」のマインドを取り入れる
- 成果を示すスパンを「短期」⇨「長期」に勝手に変える
①「他者比較」で行動できないなら廃棄してしまえ!
他者と比較するメリットって考えたことありますか?
それは1点のみ。
自分の価値ある行動のために効果的に働くか否か。
よし、やるぞ!ってなるなら使いまくる
負けず嫌いな性格に効果大です。
逆に足が止まるだけなら、そんなものは捨てちゃいましょう。なんの役にも立ちませんw
②「拡散型」になりきってみる!
何度も言うように、短期成果は「行動」がものを言います。
当然、これまでの経験や個々の能力の差も出ますが、ベースとなるのは「行動にうつるスピード」とその「量」です。
想像してみてください。
目の前に25mプール。
これまで一度も泳いだことのない二人。
典型的な「保全型」と「拡散型」としましょう。
向こうサイドまでとにかく25mを渡る、という競技。
短期決戦です。
どっちに分がありそうですか?
「拡散型」ですよね?
その違いを考えると、答えが分かってきます。
真似るべきは「行動に移すまでのスピード」です。
考える前に動く、まずやってみる(考えながら、行動もとる)
これが短期決戦には欠かせない要素です。
③長期スパンこそが「保全型」!と開き直る
短期の成果を捨ててしまえばいい、という発想です(笑)
自分の学習タイプ、性格では「短期」が向いてないのだから、そこでは戦わない。
適性が違うのだから、いいじゃないかと。
ウサギとカメも最後はカメが勝つと言う話、どこにゴールラインを置くかで勝者が変わりませんか?ウサギさんが「飽き」と戦っているとき、カメは積み上げた知識や経験でいつの間にか成果を出すもんだ、と開き直りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
人の性格を2パターンに分けることはいささか強引かもしれませんが、「学習タイプ」は、幼少の頃や学生時代などを思い出すことで「どちらかといえば〇〇型」と腑に落ちやすいものです。
自分を知る、認めることで目の前の視界がガラリと変わる
この体験を得やすいのが「学習タイプ」です。
今回は、FFS理論の「保全型」にフォーカスする内容となりました。私自身が保全型なので、自らこの理論を取り入れ、認めたときの体験がベースになっています。
ことビジネスの世界では、短いスパンで成果が求められるので、もしかしたら「保全型」はそもそも生きづらい世の中、と言えるのかも知れません。しかし、分かっているからこそ対策を打ち、行動を変えることができます。
さらにマネジメントの立場の方は、メンバーへの教育にも活かすことができます。
タイプが自分と一緒か、違うのか?
そのためには、まず相手を知ることが大事です。相手を変えるのではなく、コミュニケーションそのものを変える必要があることに気づけます。
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